明日のために その11


明日のために その11
太鼓打ちのための楽典(5) 強弱記号

2001/12/06
BN-11-強弱記号

太鼓は「迫力がある、力強い、勇壮・・・」
とよく言われますが、
「力強く叩けばいいんだ」と思っておられる方はいますか?
いえ、それは間違いです!
(ここははっきり否定しましょう[笑])

大きい音ばかり聴かされると、身体が疲れます。
上手い演奏とは、
強弱をうまく使いこなすことだと思います。
「pp(ピアニッシモ)を征するものは太鼓を征する」
(こんな言葉 ありましたっけ[笑])

明日のために その12


明日のために その12
ダイナミクス! ボリュームの10段階目盛 風のエチュード7

2001/12/06
さて今回の「エチュード7」は難しいですよ[笑]

二手に分かれましょう。
先ず、一段前半2小節は5回繰り返します。
つまり10小節。
そして、あなたの身体の中に
ボリュームの目盛を10段階作ります。
「えっ、叩いてるの?」というくらいを「1」とします。
そして「2」「3」とボリュームを上げていき、
「これ以上強く叩けない」 というのを「10」としましょう。

BN-12-etude-7
さて、楽譜ですが、
1小節ごとにボリュームを「1」目盛上げていきます。
10小節目は「10」ですね。
後半2小節は、繰り返し2回
(繰り返し記号 [リピート] は
 回数を書いていない場合は2回です)。
つまり4小節。

前半 ff から、急に pp になる訳で
そして又 ff 、ここも中々難しいところですよ。
ff から pp が特にね。

二段前半は、
締太鼓と長胴太鼓が入れ替わります。

そして、エンディングは
クレッシェンド、
p (弱く「2」か「3」)から
f (強く「7」か「8」)で
Fine
(フィーネと呼び、繰り返し後、
  演奏終了場所を指示する記号で、今後よく出てきます)
後半2小節は締太鼓、長胴太鼓同じリズム。

クレッシェンド、pp、ff、のメリハリ、
これらがきっちり出来たら、
あなたの今の曲がもっと生きてくる!

明日のために その13


明日のために その13
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(1) 初めに

2001/12/07
担ぎ桶とか抱え桶とか言われています。
この太鼓の奏法は不自然なスタイルであるため、
初心者には少々難しいと考えます。
伏せでは難なく叩けるリズムが、
この太鼓になると「リズムよれよれ〜」となります。

「この太鼓をやりたい」という人のほとんどが、
あの(?)両面打ちに憧れるのです。
が、しかし、これが又難しい[笑]。

この太鼓は段階をふんで練習しましょう。
ストラップの調節、構え方、撥の持ち方、
又、バチの振りおろし方(打ち方)等、
伏せ打ちにはない特殊な要素が山積み。
これは、初心者のために
後日、写真・図で説明したいと思います。

「伏せで叩けるリズムが桶太鼓では中々上手くいかない」。
これは左手が大きな原因です。
持ち方、スナップの利かせ方、
これはもうマンツーマンでしか伝えられない!
といってしまえば
オンラインの講座は成り立ちません[笑]。

右面で八分音符を連打してみてください。
できれば、左手から、がいいでしょう。
(左手の不自然さを克服しないと、
  いくら先に進んでも本当の意味での上達は見込めません)。

左手のストロークを右手より大きく取る。
そして、うまくスナップを利かす。
(言ってしまえば簡単ですが…)。
これで4分音符8分音符の粒がそろえば、先ずはOK!

さて、それはクリアしたとしましょう[笑]。

次は、
「風のエチュード4」をテンポ100〜120で練習します。
これ、と思った1小節でも2小節でもいいです。
わずかなリズムの組み合わせですが、
その組み方が少し違うだけで
アクセントの入り方等、随分と違ったリズムになります。

次に、二手に分かれて、
下拍子として「風のエチュード4」
(こちらは締太鼓でもいい)、
上拍子として「風のエチュード6」
をやってみましょう。

どうですか?
軽やかに、気持ちよく叩けていますか?
左面はまだまだ先だ〜〜〜。
今日はここまで! 偉そうですね[笑]

明日のために その14


明日のために その14
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(2) 桶太鼓両面打ち・太鼓群

2001/12/10
太鼓群ソロへの第一歩!

桶太鼓で練習する前に、
先ずは2台の太鼓で練習しましょう。
桶太鼓の方が難しいのですし、
こちらのスタイルは3台4台と増やしていくこともできます。
これこそが太鼓群ソリストへの第一歩なのです。

BN-14-桶/太鼓群

なぜ、左側に低音の太鼓を持ってきたか?
太鼓群(組太鼓とも呼ばれる)のスタイルで、どう並べるか、は
プレイヤーによって様々です。
そしてこれこそが「個性」を発揮できるともいえます。

私も、あれこれ試してみましたが、
結局、今のスタイルに落ち着きました。
「理にかなった並べ方だ!」とつくづく思います。

「ピアノ」という楽器はどなたでもご存知でしょう。
あの楽器、普通88個の鍵盤が整然と並んでいますが、
左に行くほど音は低く右は高い音です。
普通は左手でベースを弾き、
右手で和音を刻んだりメロディーを弾きます。

太鼓群の、この並べ方、
ピアノに似ていると思いませんか?

ただし、このスタイルは、
大抵の場合、左手が拍の頭に来ると言うことは
言うまでもありませんが・・・。

明日のために その15


明日のために その15
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(3)
桶両面・太鼓群への一歩 風のエチュード8

2001/12/10
桶太鼓(以降『桶』と呼ぶ)の両面打ちは、
難易度から言えば、上級クラスでしょう。
([笑] 何をもってそう言うかはあまり突っ込まないで)

桶の右面を十分打ちこなせて初めて、
両面に挑戦できる、と考えてください。
これから先はそういった人のための講座です。

先ずは、両面同時打ちをやりましょう。

右面(以降R面)は安定したテンポで叩けるリズムでも、
左面(以降L面)は
中々思ったように手が動いてくれないものです。
しかし、同時に叩く練習を重ねると
左手が右手につられて動くようになります。

BN-15-etude-8

【譜例A】
 最初は4分音符で、次に8分音符、
 以降「風のエチュード5」のようにアクセント打ちをやる。
 テンポはゆっくりめの120くらいでしょう。

【譜例B】
 口唱歌
「トットトトーンコ トットトトーンコ トコトコ
 トトーンコ トットトトーンコ・・・・・・」
 または
「タッタタターンカ……」
 でしょうか。
 これを下拍子にして、
 もう一人の人が【譜例A】をアクセント打ちすると
 曲らしくなります。

【譜例C】
「トントトーンコトト トコトントトーンコトト
 トントトーンコトト トコトコトトーントトン」

【譜例D】
「トントコトコトトト・・・・・・」
 これは3/4拍子で、本来の記譜法とは違って書いています。
 これはリズムの取り方の違いで、本来の書き方は
「トントコ トコトン トット」となりますが、これは、
「トントコトコトットット」
 で、ニュアンスが違います。
 この【D】で、左手が両面を打つことになります。
 なお、後半はリズムは同じですが、手順が違います。
 気をつけて。

【譜例E】
 勘のいい方ならもうお気づきでしょうか、
 太鼓が3台ならこのようになります。
 聴き慣れたリズムも、
 3台の太鼓となると違ったリズムに聴こえてきます。
 4〜5台でも同じ書き方ですが、見にくく、
 書くほうも大変です[笑]。
 この域になるとアドリブの世界でしょう。

大地式楽譜の読み方には、いくつかの約束事があります。

次々リズムパターンが出てきます。
当然三連符もシャッフルのリズムも。

明日のために その16


明日のために その16
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(4) 両手アクセント打ち・予告リズム
風のエチュード9

2001/12/13
さて前回では、
大地式楽譜を使って複数の太鼓の叩き方を紹介しました。
今回からは、具体的なリズムの練習方法を学びましょう。

「風のエチュード9」は、アクセント打ちです。
一線譜ですが、両手 (both)打ちです。

BN-16-etude-9
【譜例A】
 両手打ち、
 これは太鼓群奏法の基本中の基本となる打ち方です。
 最初は単純で、決して難しくはありませんが、どっこい[笑]、
 くれぐれも侮らないように。

【譜例B】
 譜例Aと同じ拍の裏アクセントです。
 A・B共に、4小節4段を通して叩くのでなく、
 各小節を2回繰り返してください。
 詰まった時は、
 アクセントなしを2小節くらい叩いて次に進む、
 という風にするといいでしょう。
 各4段目の最後の2小節はおまけで、
 こう叩くと終わった感じがする、という見本です。
(そう、最初も突然叩き始めるのではなく、
 アクセントなしを2小節入れると
 イントロらしくなります)。
 裏拍は案外難しいのではないでしょうか。
 裏拍を感じてリズムを叩くということは、
 先々とても大事なことですので、
 決して省略しないように。
 なお、テンポですが、
「なんだ、こんなの簡単!」と
 120・130で、やらないように。
 最初は「確実に、しっかり打ち込む」ということが大事
 ですので、90〜100くらいでいきましょう。
 すぐに「8分音符・三連符・パラディドル」等が
 入ってきます。
 120〜140では、とても手が回らなくなります。

【譜例C・D・E】で少し紹介しました。
 ちょっと挑戦してみて ください。

 なお、譜例Dのアクセント記号は
 いつもと違うところに書いていますが、
 大地式であって他では通用しませんので、念のため[笑]。


当分、このように中級・上級者向けの内容になります。
初級者向けは、もうしばらくお待ちください。
このテンポで叩けなくても、
ぐんと遅くすれば出来ると思いますので、ぜひ!

明日のために その17


明日のために その17
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(5)
両手アクセント打ち(三拍フレーズ)・両手リズム打ち
風のエチュード10

2001/12/14
両手同時打ちはまだまだ基本。
でも、今回は、ちょっとソロっぽいかもね[笑]。
各段それぞれ独立した感じのリズムにしています。

BN-17-etude-10

特に今回は「3拍フレーズ」なるものが登場しました。
4/4拍子の中で、3拍のフレーズが連続して出てきます

【譜例D・E・G】
 2小節の中で
「3拍フレーズを4回やったら2拍が残る」【E】
 ということは「8回やれば4小節」ということ【G】

どうです、わかりますか?
このテクニック、ソロをやる場合絶対欠かせません!
ただし多用すると、元の拍子が分からなくなってきます。
演奏する方も、聞く方も[笑]。
このリズム、一種の「ポリリズム」といえます。

【譜例H・I・J】
 右手はずっと8分音符、アクセントを入れず正確に。
 左手だけが動く、
 しかも色々な所にアクセントをつけて。
 この奏法、同時打ちから一歩進んだ打ち方です。
【J】に気をつけてください。
 Rの太鼓を「ドコドン」と叩きます。

両手同時打ちの音のズレは、
わずかなモーションのズレからきます。
あらゆるテンポで練習し克服しましょう。

この「基本中の基本」とも言える練習を積んでおくと、
その後の進歩の度合いに大きな影響を及ぼしてきます。

太鼓群・桶太鼓ソロアドリブ演奏は、
必ず出来る!

明日のために その18


明日のために その18
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(6) 両手リズム打ち
風のエチュード11

2001/12/16
今回は、前回「風のエチュード10」に続きます。
「両手リズム打ち」
(これも正式な奏法名ではなく、
  私が勝手につけたもの[笑]。が、
  これしか浮かばないので当分この呼び方でいきます)。

BN-18-etude11

【譜例A〜F】
 全部が両手打ち(この呼び方も、変といえば変ですね)で、
 右手で8分音符「トットットッ・・・・」、
 左手で左の太鼓(桶太鼓なら左面)を、
 楽譜のように叩きます。

【譜例D】
 少し分かりにくいので、
 本来の記譜法(大地式)の二線譜を書きました。
 こう書くと理解しやすいでしょう?

さて、
「桶太鼓・太鼓群ソロへの道」練習時に、ですが…。

●(1)
 右手で出来るリズムは全部左手からも出来るように
 これはかなり難しいことです。
 長いスパンで練習に取り組まなければいけません。
 今は基礎・初級編をお休みにして
「ソロのためのエチュード」を中心に講座を進めています。
 突然、ここ数回の「風のエチュード」を
「右でも左でも同じように」と求めるのは
 キツイ事かも知れませんが、
 「ソロプレイヤーを目指す人」「プロを目指したい人」には、
 必要不可欠な条件です。

●(2)
 メトロノームとお友達…
「ソロのためのエチュード」は、
 ぜひメトロノームを鳴らしながら練習しましょう。
 これを使わない練習は無意味、とは言わないまでも、
 それに近いものがあります。
 基本的には4分音符で「キッキッキッキッ・・・・」。
 1小節の頭にアクセントを入れるやり方もありますね。
 メトロノームの上手な使い方は後日説明します。

注:
 メトロノームは「振り子式」ではなく、
 ぜひ「クオーツ式」を。
 コンパクトで持ち運びも出来て、
 桶太鼓の上に乗せて練習が出来ます。

明日のために その19


明日のために その19
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(7) 三連符・シャッフル
風のエチュード12

2001/12/20
 さて、3連符の登場です(笑)!

 太鼓をやっている方なら大抵の人が知っている
「タッカ タッカ タッカ」のリズム、
 これは「シャッフル」と言われています。

 ノリのいいシャッフルのリズムを叩き出すには、
 この[3連符]の練習抜きには考えられません。

 今回はその3連符の基礎練習から始めましょう。

 一定の長さを均等に3等分する音符を
『3連符』と呼びます。
 これにはいくつかの種類があります。

BN-19-etude-12

【譜例A】
(1)8分3連符(俗に「1拍3連」とも呼ばれている)
(2)4分3連符(俗に「2拍3連」とも呼ばれている)
(3)2分3連符(俗に「4拍3連」とも呼ばれている)

 アクセント打ちの前に
 打面から3〜5cmのあたりで交互に叩きます。
 ツブの揃った(音量・音色)3連符が叩けるようになったら、
 次に4拍の頭にだけアクセントを入れてみましょう。

【譜例B-(1)】。
(手首のスナップを使って小さく鋭く)。
 両手同時打ちの場合は【A-(3)】△の音が、
 交互打ちの場合は▲の音が、
 乱れるものです。
 他の人に目を閉じて音だけを聞いてもらいましょう。
「アクセントが付いている、付いていない」
 この二つだけです。
 これが案外難しい。

【譜例C〜F】
 これらを先ず両手同時打ちで。
(長い表記ですので、今後は『both』と呼びます)
 テンポは80位から始めましょう。
(アクセント打ちというのは、
「アクセントの付かない音をいかに小さく叩くか」
 と言うことに尽きます。
 くれぐれもこのことを頭に入れておきましょう。)
 both 打ちの練習を十分にこなしてから次は交互打ち。
 これらの練習の時に、必ず口唱歌を歌いましょう。

  Cは「タツツ タツツ」
  Dは「ツタツ ツタツ」
  Eは「ツツタ ツツタ」
  Fは「タツタ タツタ」(タッタではない)

 口で歌うことによって、
 リズムが身体にしみこみやすいのです。
 他の練習でもです。
 ただし、本番では決して音を出さないこと(笑)。

【譜例G】
 これらの手順は
 3連符の演奏には絶対欠かせないものです。
 ぜひ身に付けましょう。
 アクセントは付けません。
 テンポは80から100くらいでいかがでしょう。
 アクセント打ちと、この手順は、
 まだ他にもあります。
 ここから先が面白いのですよ(笑)。

【譜例H】
 3連符の真ん中の音を休符にしたリズムを
「シャッフル(リズム)」と呼びます。
(2)のような書き方もあります。
 少し重い感じがしますね。

 桶太鼓の曲で、この「シャッフル」がよく使われています。
 テンポは170〜190が多いようです。
 そのテンポで
 桶太鼓R面を3連符連打(オルタネート)できるように
 しましょう。
 これは中々難しい。
 ソロを目指すなら、これくらいは出来ないとね。
 その上、それでアクセント打ち…。
 どうです(笑)。

 次回は
「パラディドル奏法の基礎」を書いて
 元に(基本)に戻りますのでよろしく〜!

明日のために その20


明日のために その20
桶太鼓・太鼓群ソロへの道(8) パラディドル(入門編)
風のエチュード13

2001/12/21
 パラディドルとは、
 シングルストロークとダブルストロークの混合ストローク
 のことで、
 音色の変化を追及した奏法です。

「なぜパラディドルを練習すべきなのか」
 あるいは
「パラディドルの練習は本当に必要なのか」
 と言う素朴な疑問をもつ太鼓打ちのために、
 パラディドル練習の広い意味での効用を
 最初に説明しましょう。

 結論から言えば、
 パラディドル練習の究極の目的は、
 そこから応用フレーズを作ることにあるのではない。
 もちろん、
 それもパラディドル練習の重要なテーマには違いないが、
 パラディドル練習の本質的な意味は、
 左右のバチさばきの柔軟性を高め、それを通じて
 完成度の高いリズムを習得することにあります。

 シングルストロークとダブルストロークの混合ストローク
 に慣れることによって
 両手の機敏性を高めると同時に、
 アップストロークとダウンストロークの合理的モーションが
 無意識レベルで行われるまでに慣れること、
 そこに
 パラディドル練習における究極のテーマがあります。

 つまり、パラディドルを演奏でどう使うか
 などという些細な問題ではなく、
 私たちが本質的な部分で太鼓の上達を望んだ時、
 パラディドルは
 無くてははならない練習テーマなのです。

BN-20-etude-13

【譜例A〜G】
 各小節を何分でも練習しましょう。
 太鼓は学ぶものではなく、身体に叩き込むものです。
 二つの太鼓で練習する方が、より効果的です。
 桶太鼓なら両面で
(桶太鼓は伏せより難しいのでテンポを落として)。
「パラディドル中級編」までに
 このパターンをしっかり身に付けておいて下さい。

 では、次回から基礎編・初級編に戻ります。